谷川岳
(1977m) 

 2012.10.21
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 今までいくつかの山に登っているのに、考えてみたらまだ谷川岳には登っていませんでした。
都心から比較的近く、余りにも有名な山なのに、いつでも登れると言う気持ちで見過ごされてきたのかもしれません。

と言うことで、おりしも紅葉の季節、谷川岳にチャレンジすることになりました。
といってもロッククライミングでは有りません。ロープウェイを利用して楽に登りま〜す!

 
谷川岳ロープウェイ
7:30

紅葉の時季は、ロープウェイも大勢が並ぶと聞いて、
朝4時前に車で家を出発。
思ったより順調にここまで着きました。

でも駐車場は、もう1,2階はいっぱいで3階まで登りました。

ロープウェイは朝7時から動いていました。
早い・・・・


2005年に新しくなった複式単線自動循環式ロープウェイ、
フニテル22人乗り



 

 

 
土合口駅から天神平駅まで2400mを約10分で
標高1319mの天神平に到着します。 

 

 
リフト乗り場

さらに、ペアリフト(¥400)で7分、天神峠へ登ります。
これが、チョーのろいリフトで・・・・・

気が付いたら、
殆どの登山者はリフトを使わず歩いて登っていますね。
 
 

 
天神峠に到着
こんな鳥居が・・・・
 

 
 
へーーー!
 古銭発掘跡ですって!
 
鳥居の後ろの岩に登ってみると谷川岳の双耳峰が見えます。
左の頂がトマの耳、右の頂がオキの耳

ここまで登ると結構風が冷たいです。
ほんとの展望台はここではないんです・・・・

 
  
 
さあ、頂上目ざして天神尾根を歩きます。

イヤァ〜!登山者多いですね〜!
こんな歩きはじめから渋滞気味です。
 
 
 
 
熊穴沢非難小屋
8:42

40分ほど登ると非難小屋に着きました。
小屋の中も外も大勢の人です。
 

  
 
さらに登りますが、渋滞はだんだん酷くなります。
日曜日だから家族連れが多いですね。
 
人の列に切れ目が無いですね
紅葉はいまいち綺麗じゃないのかな〜?

枯れた葉が目立ちます。

前方右上にコブのように見える岩は
西黒尾根の「ザンゲ岩」です。
 
 
  
 
 
しかし、谷川連邦の山並みはすばらしいな〜!

稜線に出ると風が冷たい! 
 
丸太の階段は結構歩きにくい物ですが、
歩きやすいように取り付けてくれているのだから
文句を言っては罰が当たります。

後一息かな・・・・
 
 

 
肩の小屋
9:47

屋根には太陽光電池パネルが・・・
ここでは休憩しないで頂上まで行きます。
 

 

 
トマの耳 (1963m)
9:54

双耳峰の一つです。トマとは“手前”の意味らしいです。
風が強くて帽子が飛ばされそう・・・・


トマの耳から向うに見えるのが最高峰「オキの耳」
すると、オキって“奥”って意味でしょうか?

遠くから見ると双耳峰が猫の耳のようにに見えるらしいです。

トマの耳には「薬師岳」
オキの耳には「谷川富士」
の別称が有るそうです。

偶然写真に写っちゃった人ごめんなさい!  


 
 
山頂「オキの耳」に到着
10:11

油断すると身体ごと風に吹き飛ばされそう・・・・
 


 
 
向うに鳥居が見えます。
ちょっと足を伸ばしてみます。

富士浅間神社奥の院 

麓の谷川温泉の奥にある浅間神社は
古来1565年頃より富士信仰が盛んだったようです。



 

 
一ノ倉岳

鳥居から一の倉岳まで登山道が伸びています。

一ノ倉沢は剱岳・穂高岳とともに日本三大岩場の一つに数えられ 
ロッククライミングのメッカになっていますが、
遭難者が多いことでは余りにも有名ですよね。

ここから一ノ倉沢の岩場は見えないですね!

 
 

 
見渡すと万太郎山、仙ノ倉山、茂倉岳等
谷川連邦の美しい山並みが秋空に浮かんでいます。
 
 

オキの耳からトマの耳を望む

頂上に大勢の人が立っているのが分かりますか?
左側がガクッと切れてるんですね〜!
 
 
  
 
トマの耳から見たオキの耳頂上とその奥に一の倉岳が見えます
 
 

  
 
稜線は余りにも風が強くて肩の小屋まで戻って昼食。
お昼時と有って小屋の前には大勢の登山者が休んでいます。

最近は子連れの登山者を良く見かけます。
良い思い出になりますよね〜!
 
 

11:00

北海道の友達から送られてきた新米ユメピリカのおにぎり
中身はシャケ、明太子、梅干が同居しています。

山で食べるおにぎりは又、格別です。
 
帰りのロープウェイも混雑しそうなので
早めに下山しますが、人が多いですね〜!

 
 

天神ザンゲ岩  
11:50

谷川岳は古くから修験の山、
懺悔岩と言う名前が付いたのもうなづけます。
肌触りの良さそうな岩ですね!

 
 
下方に、ヘリコプターがホバーリングしてずっと動かないから
何だろうと思っていたら、怪我人を救助する為だったそうです。
風が強くて救助が難しかったと耳にしました。
 
 
 

これから登ってくる人もかなり多くて
登山者の列の切れ目が無いです。

大きな岩は「天狗の溜まり場」
 
 
 
  
 
 天狗の溜まり場

ここも登山者が群がってます。
 
 

天狗のたまり場から頂上を振り返ると、
ちょこんと岩が飛び出ているのが
西黒尾根の「ざんげ岩」です。

あっちの「ざんげ岩」の方が立派ですね!
 
 
天狗の溜まり場から下も、登山者の列がずーーーっと
切れ目無く続いています。
 
 
 

やっと非難小屋まで戻って来ました。
下りはロープウェイを使わず歩きます。
 
 
紅葉のトンネルの登山道は気持ちが良いです
 
 

振り返ると頂上があんなに遠くになりました。  
 
初めて綺麗な紅葉を見つけた感じ
 
 
 

天神平に到着
13:10

リフトで天神峠の展望台を目指す
観光客が列を作っています。
 
 
  
 
時間が早いせいか、そんなに並ばずにロープウェイに乗れました。
朝は良く分からなかったけれど、紅葉が綺麗です。

上りのフニテルに乗っている人も多いです。
 
 
 
 
駐車場には観光バスも結構来ています。
イヤーーー!こんなに人の多い山は初めて!
紅葉よりも人間ウオッチングに来たようでした。
でも。早め早めに行動したので車の渋滞やロープウェイの待ち時間は心配したほどではなかったです。
兎に角風が強くて、頂上から周りの景色を楽しむ余裕も無かった程でした。
次はもっと人の少ない、風の無い時登りたいと思いました。 





 
 
  
谷川岳登山の後、湯之谷温泉まで車を走らせ一泊。
翌日。魚沼市大浦に彫刻のすばらしいお寺が有ると聞いて足を伸ばしました。

湯之谷から車で30分位走り「曹洞宗 赤城山 西福寺」に着きました。ここにすばらしい彫刻の絵があるそうです。
赤城山と書いて「せきじょうさん」と読むそうです。

「赤城山 西福寺」は室町時代後期1534年に、開山芳室祖春大和尚によって開かれました。
「開山堂」は、開山大和尚と、曹洞宗の開祖、道元禅師をまつっています。
 

開山堂

藁葺のお堂を雨風から保護しているんですね〜!
藁葺のお堂の中が彫刻絵の有る「開山堂」です。
外側も所々修復した後があります。
  
 
 

「西福時」の正門(白門)

左右の仁王像はガラスケースに納まっています。
 
 
石川雲蝶

開山堂の仁王像を彫っている姿です
。 
 
 


ここ越後地方には雲蝶の作品が多く残って居るんですね。
他の寺も見てみたいです。 
 
開山堂

雪深い地方だからこその苦労ですね〜! 
 
 


開山堂入り口

拝観料大人¥300 小学生¥200 
 
 
 

 
本堂内の襖絵「孔雀遊宴図」
 
 
 雲蝶の襖絵ですが、あの時代に本物の孔雀を見る機会が有ったって事ですよね。
孔雀の羽の繊細な描写が素晴らしいと思いました。
 
  
 

本堂

本堂は雲蝶の襖絵が沢山残っていますが、
普通に襖などに触れる状態で(勿論触りませんよ)
無防備だな〜と感じました。

貴重な文化遺産なので
もっと厳重かつ慎重な保存をした方が
良いのではないかと心配になりました・・・
 
 
  

本堂

龍の彫り物も素晴らしいです。今にも飛び掛りそう・・・

ここから先の、廊下伝いに行ける開山堂は撮影禁止ですが
素晴らしいパノラマ画像を見る事が出来ます。

 http://www.saifukuji-k.com/kaisandou_tour/index.html
 
 

 
赤門

西福寺にある第一の山門である赤門の前には雲蝶の彫った石碑が二つ立っています。

右には日除地蔵が立ち、この村を火災から守っています。
そして、左側には「禁葷酒」と刻まれた石塔が立っています。
これは禅宗の山門に立つ、戒めを説く石碑で、
「葷」とは、にんにく、にら類のことを言います。

葷や酒を食した直後に山門には入る事を禁ずるという意味で
山門の清浄を汚してはならないという戒めの言葉です。

 
  

 今回の山旅は、今一感動の少なかった紅葉と強風、さらに人間ウオッチングの谷川岳でした。
が、最後に素晴らしい芸術に触れることが出来ました。

石川雲蝶・・・・名前だけは聞いた記憶がありましたが、特別関心を持って無かったのです。
今回、天気も良いし、真っ直ぐ東京に帰るのは何だか勿体無いと言う軽い気持ちから、
宿泊先で教えてもらった観光スポットです。

開山堂の雲蝶の彫刻を見た時は、ちょっとしたカルチャーショックでした。
「越後のミケランジェロ」と言われることに納得しました。

機会があれば是非多くの人びとに見て欲しいと思いました。

─ 完 ─